審査員

2023jury

ニコラ・バルディル Nicolas Baldeyrou〈審査委員長〉 (フランス放送フィル首席クラリネット奏者/リヨン国立音楽院教授)

パリ国立高等音楽院卒。同院にて、クラリネットをミシェル・アリニョンとジェローム=ジュリアン・ラフェリエールに、バスクラリネットをジャン=ノエル・クロックに師事。ミュンヘン国際コンクール(ドイツ, 1998)、セビリア・ドス・ヘルマナス国際コンクール(スペイン, 1999)、ICA(国際クラリネット協会)主催ヤング・アーティスト・コンクール(アメリカ, 2001)の三つの一流コンクールの覇者となる。 幼少期から楽才を示し、クラリネットに愛情を注いできたバルディルーは、この上ない超絶技巧とインスピレーションを誇る名ソリストの一人として、ヨーロッパおよび世界各地の名門オーケストラから頻繁に招かれている。 フランス放送フィルハーモニー管弦楽団の楽員としても活躍しており、2011年からは同団のソロ首席クラリネット奏者を任されている。またシンフォニア・グランジュ・オ・ラックでも、2018年の設立時からソロ首席奏者を務めている。 2006年からリヨン国立音楽院の教授を務め、世界各地で多数のマスタークラスを開催してもいる。さらに近年、スコットランド王立音楽院(グラスゴー)の客員教授に就任した。 一方で室内楽にも熱心に取り組んでおり、ヴァンドーム四重奏団(クラリネット四重奏団)の創設メンバーでもある。新たなレパートリーの探求に情熱を傾け、歴史的に“正しい”奏法に意識を向けるバルディルーは、古楽器にも関心を寄せており、モーツァルトの作品を現代および古楽器のバセット・クラリネットで吹く世界でも稀な奏者の一人として、音楽家たちのあいだで広く知られている。 2004年に管楽器メーカー「ビュッフェ・クランポン」社のテスターに任命されたバルディルーは、同社の研究開発チームの一員としてクラリネットの改良に積極的に取り組み、フランスの演奏法および楽器製作の世界各地への普及に寄与している。 [使用楽器:〈ビュッフェ・クランポン〉“フェスティヴァル”(GL)]


ヨハネス・グマインダー Johannes GMEINDER (ライプチヒ メンデルスゾーン芸術大学教授)

トロッシンゲン国立音大で、ヴァルデマアー·ヴァンデル教授に、ベルリン芸術大学で、フランソワー·ベンダー教授に師事。1994年バーデン·ヴュルッテンベルグ芸術財団の奨学金を得る。1996年ベルリン·フィル·オーケストラアカデミーのメンバーとなる。1988年にはラインランドファルツ州立財団[ヴィラ ムジカ]の奨学金を得る。1999年よりヨハネス·グマインダーは、オペラと博物館オーケストラ―フランクフルト/マインのソロクラリネット奏者に就任2010年よりドイツクラリネット協会の会長を務め、国際クラリネット協会に於いてもドイツ代表を務める。彼の教育者としての経歴は、2001年フランクフルト/マインの音楽·演劇大学、2003年ベルリン芸大、2004年マンハイム音楽·演劇大学の講師。2004年マインツ音大、2009年ザールブリュッケン音大の教授に就任。2017年よりライプツィヒのフェリックス·メンデルスゾーン·バーソルディ音楽·演劇大学の教授に就任現在に至る。ヨハネス·グマインダーはアジア、アメリカ、スカンディナビア、ヨーロッパ、で客演し、定期的にマスタークラスそして国際コンクールの審査員に招かれている。CD録音は、MDGレーベル、ブレーメン·ラジオ·ホール·レコードそして、コヴィエロ·クラシックスよりリリースされている。ヨハネス·グマインダーの使用楽器: シュヴェンク&セゲルケ


アレクサンドル・シャボ Alexandre Chabod(パリ・オペラ座管弦楽団首席奏者)

7歳からクラリネットを始める。パリ国立高等音楽院でミシェル・アリニョンに師事。1996年、同校クラリネット科をプルミエ・プリ(一等賞)で卒業。翌年、室内楽修士課程修了(モーリス・ブルグに師事)。審査員満場一致でプルミエ・プリを得る。その後はポール・メイエ、エリック・ル・サージュの下で学ぶ。 トゥーロン国際音楽コンクールでの入賞を始め、パリUFAM国際音楽コンクール(第3位)、ジャン・フランセ国際音楽コンクール(第2位)など多くの国際コンクールで入賞。パリ国立高等音楽院卒業後、同校の上級過程〈Cycle de perfectionnement〉でさらに研鑽を積む。 1999年、マルク・ミンコフスキに招聘され、ソリストとしてグルノーブル・ルーヴル宮音楽隊へ参加。2010年からはエマニュエル・クリヴィヌが指揮する古楽器オーケストラ「ラ・シャンブル・フィラルモニーク」のソリストを務める。その他、最近の活動としては、古典クラリネット(5キー・クラリネット、10キー・クラリネット、ロマン派クラリネット)と現代クラリネットによる室内楽コンサートが挙げられる。このコンサートではジェローム・ペルノ、パトリック・コーエン、ジェローム・デュクロ、ニコラ・バルディルー、ウラジミール・メンデルスゾーン、フレデリック・ラロック、アレクサンドル・ガテ、ジュリアン・アルディらと共演。 現代音楽の演奏にも熱心で、セルジュ・コフマン、マーティン・クトノフスキ、ブルーノ・マントヴァーニ、ティエリー・エスケシュ、ギヨーム・コネソン、カロル・ベッファ、ニコラ・バクリなどの現代音楽作品を初演し、またレコーディングも行っている。 フランス国内外で定期的にマスタークラス及びリサイタルを行っている。これまでに台北(東呉大学、台北教育大学)、ニューヨーク(“ビュッフェ・クランポン”主催によるジュリアード音楽院のイベント)、フランス各地の地方音楽院(トゥール、ランス、クレルモン・フェラン、トゥールーズ)などを訪れている。 パリ12区立音楽院及びヴェルサイユ地方音楽院で講師を務める。 ヴァンドーム四重奏団メンバー。ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団で8年間ソリストとして活躍した後、2004年からはパリ・オペラ座管弦楽団(パリ国立歌劇場管弦楽団)でクラリネット首席奏者を務める。 [使用楽器:〈ビュッフェ・クランポン〉 “プレスティージュ”(GL) in Bb, “RC” in A]


アントニオ・サイオテ Antonio Saiote (ポルト工科大学教授/元ポルト・アカデミック・オーケストラ首席奏者)

ポルトガル出身、リスボンの国立音楽院で学んだのち渡仏。パリでG.ドゥプリュとJ.ランスロに師事。ミュンヘン音楽大学ではG.シュタルケに師事し、ディプロマを取得。カロル・クルピンスキコンクール(ポーランド)入賞、 Arts et Ideesコンクール優勝、New Values of Cultureコンクール優勝。 ポルトガル国内にとどまらず、欧米アジアの様々なオーケストラにソリストとして招かれており、またポルトガル・クラリネット・アンサンブルのディレクターをつとめる。室内楽ではピアニストのペドロ・ブルメスターとデュオを組み活動。 ポルトガルの作曲家の作品ほか世界初演曲も多く、またL.ベリオ、L.パヴァロッティ、K.ライスターなどから賞賛を送られている。 1998年以降は指揮者としても活動し、ポルトガル国内のすべてのオーケストラ、スペイン・ベネズエラ・フランス・ドイツのオーケストラを指揮した。バーデン・ヴュルテンブルクのオーケストラのアシスタント・コンダクターとして、指揮者ニコラ・パスケと共に活動。すでにユース・シンフォニー・オーケストラ、インヴィクタ・オーケストラ、ポルト国立オーケストラ、ポルトガル交響楽団、ESMAE交響楽団、ベイラス・フィルハーモニーを指揮。「優れたクラリネット奏者は優れた指揮者にもなり得ることを証明」と評されている。 ドイツ、ブラジル、チリ、ポーランド、フランス、中国、マカオ、ベルギー、ハンガリー、インド、スペインでマスタークラスを開催。セトゥーバル、ガイア、ヴァレンティーノ・ブッキ賞(ローマ)の審査員長、オクタブ・ポッパ、トゥーロン、セビリア・コンクールの審査員を務める。シモン・ボリバル・ユースオーケストラとは指導者、ソロイスト、指揮者としてしばしば協演し、アジア・欧米・北アフリカの30カ国以上で演奏・教育活動を実施している。現在、ESMAEでクラリネットの学位課程を指導し、また、ポルトガル・クラリネット協会の会長、ポルト・ソロイスツの芸術監督を務める。 アルゼンチン、ブラジル、チリ、ベルギー、フランス、ドイツ、イギリス、中国、インド、アメリカなどでのコンサートは熱狂的な評価を得ている。 [使用楽器:〈ビュッフェ・クランポン〉“トスカ”]


松本 健司 Kenji Matsumoto (NHK交響楽団首席奏者)

パリ国立高等音楽院クラリネット科を“レオン・ルブラン特別賞”を得て卒業し本格的な演奏活動を始める。 クラリネットを角田晃、濱中浩一、二宮和子、竹森かほり、ミシェル・アリニョン、ジェローム・ジュリアン=ラフェリエール、アラン・ダミアンの各氏に、室内楽をピエール=ロラン・エマール、ジャン=ギアン・ケラス、ダリア・オヴォラの各氏に師事。 第6回日本木管コンクール、第4回日本クラリネットコンクール、第22回トゥーロン国際音楽コンクール等で上位入賞後、2002年にNHK交響楽団に入団。現在、首席クラリネット奏者を務める。 また、トリオ・サンクァンシュ、室内オーケストラ「ARCUS」のメンバーとしても活発な演奏活動をする他、教育分野においては東京音楽大学兼任准教授、洗足学園音楽大学教授として後進の指導に力を入れている。 [使用楽器:〈ビュッフェ・クランポン〉“Divine” 柘植製“Légende”]  


野田 祐介 Yusuke Noda (東京音楽大学准教授)

1964年大分県生まれ。16歳よりクラリネットを横川晴児氏に師事。高校卒業後渡仏、パリ市立第10区音楽院、ヴェルサイユ国立地方音楽院を経てパリ国立高等音楽院を一等賞を得て卒業。クロード・ドゥシュルモン、アンドレ・ブータール、ギィ・ドゥプリュの各氏に師事。室内楽をピエール=イヴ・アルトー氏に師事。学内演奏会にてメシアンの「時の終わりのための四重奏曲」を作曲者自身の前で演奏。帰国後、東京でリサイタルを開催。プラハ放送交響楽団、ニューフィルハーモニー千葉と共演。国際交流基金の音楽使節として中南米4カ国で演奏のほか、タイ、香港での音楽祭に参加。国内では湯布院音楽祭、草津国際音楽フェスティバルなどに参加。NHK-FMリサイタルに出演。第6回日本管打楽器コンクール入選、第3回日本クラリネットコンクール第3位入賞。2003年より群馬交響楽団第一クラリネット奏者として入団。2009年、2012年日本音楽コンクールクラリネット部門審査員。群響メンバーによる《Ensemble G》を主宰。現在、東京音楽大学准教授、東京藝術大学講師、昭和音楽大学講師、桐朋学園大学講師。元群馬交響楽団首席奏者。 [使用楽器:〈ビュッフェ・クランポン〉“フェスティヴァル”]

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